2020 FIA-F4 鈴鹿サーキット Rd.4~6【レーサー菊池のレースレポート】

みなさんこんにちは!レーシングドライバー菊池宥孝です。
今回は、10月24.25日に開催された、「FIA-F4鈴鹿大会Rd.4~6」のレースを僕の視点から振り返っていきます。
レースウィークからレース当日までを詳しくまとめました。
ATEAM Buzz Racing/#32 Kikuchi Hirotaka
目次
レースウィークまでの流れ
鈴鹿サーキットは、6月に1日だけFIA-F4で練習しています。その時の課題は、昨年スーパーFJで走り込んだ時の癖が抜けないことで、特にセクター1の考え方が全く違うことに苦戦していました。
- 1コーナーに突っ込めない
- S字の向きの変え方
これらの課題が顕著に表れていたので、今回のレースウィークに入る前にスーパーFJの癖を抜くことを目的に、ゲームでF2マシンを鈴鹿で走らせて固まってしまったイメージを壊しておきました。
そんなことでイメージを崩せるのか半信半疑の人もいると思いますが、本当に崩せます(笑)
公式プラクティス1(ドライコンディション)
公式プラクティスは全4セッションありましたが、ドライで走れたのは1回目のみで、2~4回目はレインコンディションでした。しかし、レースはドライコンディションになることが予想されたため、1回目のセッションが最も重要になると考えられました。
課題点だったセクター1の組み立ては、改善の兆しが見られたものの、まだまだ上位勢と比較して遅かったです。ただ、セクター1.2.3.4全てが満遍なく遅れていたため、ドライビングアドバイザーとして来て頂いている名取鉄平選手にドライビングについて詳しく教えてもらいました。
公式プラクティス2~4(レインコンディション)
木曜日の2セッション目から金曜日の4セッション目までは、レインコンディションでした。
2セッション目では、古く硬い浅溝タイヤでマシンコントロールを磨くことに専念し、3セッション目から新品のレインタイヤを履きました。
2セッション目のアウトラップで予想以上に滑ってコースアウトした際、フロアを打ちモノコックに亀裂が入ってしまいました。デグナー2個目でコースアウトした際に連続してフロアを打ったことが要因だと思われます。
モノコックは修復出来ることになりましたが、マシンへのダメージを考慮して3.4セッション目は安全なところだけ攻めて、フロアを打つ可能性があるコーナーは9割くらいで走りました。
鈴鹿サーキットの多くのコーナーはエスケープゾーンも舗装されていますが、FIA-F4でコースアウトするとフロアを打ちます。そこで、安全にコースアウト出来るシケインのブレーキングだけ色々と試しました。シケインは突っ込みすぎても、もう一つのシケインがあるので安全です(笑)
ただ、レースはドライコンディションの予報だったので、まずはFIAF4で初めてのレインコンディションを経験出来て良かったと思っています。
そして何より自分の走行以上に、トップ争いをしていたチームメイトの走行が凄く勉強になりました。「どうしたら速く走れるのか?」に対するヒントがたくさん詰まっていたので、今後のドライビングに生かしていきたいです。
レースウィークのタイヤ運用
※スリックタイヤ3セット、レインタイヤ新旧2セット
1日目(公式練習1.2):公式練習1~NEWスリックタイヤ、公式練習2~浅溝レインタイヤ
2日目(公式練習3.4):公式練習3~NEWレインタイヤ
3日目(予選、レース1、レース2):予選~NEWタイヤ、レース1~NEWタイヤ、レース2~予選使用タイヤ
4日目(レース3):レース1使用タイヤ
レースウィークタイム変動
公式練習1:2:09.519(NEWスリック)
公式練習2:2:37.515(浅溝レイン)
公式練習3:2:30.595(NEWレイン)
公式練習4:2:30.072
予選
ベストラップ 9位 2:09.306(+1.394)
セカンドベスト 9位 2:09.346(+1.274)
クリアラップを取ろうと考えたものの、上手く位置取りが出来ないまま数周走ってしまいました。
タイムが出始めた周でも、位置取り争いが起きてしまいタイムを出せなかったです。そして、6周目にようやくタイムが出せそうでしたが赤旗が出て中断。
この時点では、おそらく22番手くらいに沈んでいました。
10分後に再開。
残り時間を考慮すると2.3周しか出来ない状況だったため、セカンドベストタイムまでを出すためにリスクの高いコーナーで少しだけマージンを取って攻めました。
クリアラップを取れたとは言い難い3周でしたが、ラスト2周をまとめられたことは良かったです。
予選の反省点
位置取り争いにおいての冷静な判断が欠けていました。赤旗中断前までに1周でも良かったからタイムを出しておけば違う展開に出来たと思います。
展開を想定したイメージが甘く、富士とは全く違った予選のバトルに対応出来なかったです。
レース1(Rd.4)
9位→10位(+12.057)
トータルラップ 27:13.029(+12.057)
ベストラップ 2:09.610(+1.313)
※NEWタイヤ
スタートは上手く行き、1コーナーで7位に浮上。その後、セーフティーカーが入ります。
セーフティーカーラン再開後、6位を捉えられそうな余裕があり、どこで仕掛けようか考えていました。
スプーンコーナーまでは追い付く感じだったため、スプーンコーナー出口から1コーナーまでを上手くスリップで付いていって抜こうと考えました。これは誰もが考えるプランだと思います。
しかしスプーンコーナー出口で、リアをスライドさせてしまい失速してしまいました。そして、逆に1コーナーまでに2台抜かれました。
翌周も同じミスを繰り返し、130Rまでに悠々と抜かれて10位に落ちます。
11番手にも抜かれそうになりましたが、シケインのブレーキングで粘って阻止しました。そのまま10位でチェッカーを受けます。
レース1の反省点
6位に浮上するチャンスがあったのにもかかわらず、自分のミスからゴボウ抜きされてしまったことです。
ただ、ペース自体も悪かったので、レース後に受けたドライビングとミスについてのアドバイスを頭に入れてレース2に臨みました。
レース2(Rd.5)
9位→7位(セーフティーカー先導でチェッカー)
※予選使用タイヤ
このレースでもスタートで7位に浮上しましたが、1周目のデグナーあたりでSCライトが点滅し、すぐに赤旗中断。
残り時間が少ない状態でセーフティーカー先導で再開の予定となり、2.3周のスプリントレースが予想されました。
しかし、アウトラップで止まってしまった車両があったためセーフティーカー先導のままチェッカーとなりました。
まずは、大クラッシュがあったもののドライバーたちが無事で本当に良かったです。僕自身の課題は、翌日のレース3に持ち越されることとなりました。
レース3(Rd.6)
14位→10位
トータルラップ 23:52.134(+16.911)
ベストラップ 2:09.238(+0.941)
※レース1使用タイヤ
スタートでは順位は変わりませんでした。1周目のヘアピンで前車が前々車にオーバーテイクを仕掛けるものの軽く接触して姿勢を乱したため、立ち上がりで抜いて13位に浮上。スプーンコーナーでインに並びかけられたものの守り切ります。
その後は4台パックの最後方で周回を重ねました。4台のうち、1台がレース中盤からペースが落ち始め、その1台がシケインの立ち上がりでトラクションを失った隙をついて、1コーナーでアウトから抜けました。
しかし、抜いた後は前車から少し離されてしまい、スリップを使えず単走で走りました。しかし、なかなかペースが上がらずそのままチェッカー。
上位2台がクラッシュとコースアウトしたことによっても順位が上がり、10位でした。
レース3の反省
レース1.2よりも悪いクラッチミートでした。
また、ワンミスを恐れて、レース1の反省にあまりチャレンジ出来なかったです。ミスしないで徐々に攻めていくスキルと精度を磨きます。
しかし収穫もありました。レースウィークを通してセクター4(130R→シケイン→チェッカーライン)のタイムは大きく向上したので良かったです。最後にオーバーテイク出来たのも、ここの区間が良くなったからです。
鈴鹿大会の反省点と今後の取り組み
鈴鹿大会ではたくさんの課題が浮き彫りになりました。特にドライビングについては、開幕戦の富士大会以上に多くを学ぶことが出来たので良かったです。
今回の参戦にあたって多大なるサポートをして頂いた方々、ありがとうございました。毎レース学ぶところがたくさんありますが、改善を積み重ねて高みを目指していきたいです。
次戦、もてぎ大会もぶっつけ本番です。2年ぶりの走行ですので入念に準備して臨みます。応援よろしくお願いいたします!
このまま終わるわけにはいきません。
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写真提供:飯田 様、ATEAM Buzz Racing 様、kinu3800 様
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