【レーシングカートとフォーミュラカー】速くなりたいならどっちも練習した方が良いですよっていう話

みなさんこんにちは!レーシングドライバー菊池宥孝です。
レーシングカートとフォーミュラカー。この2つのカテゴリーは近いと感じる人が多いです。
どちらもオープンホイールのシングルシーターで、サーキット走行のみを目的とした車になり、レーシングカートからステップアップするドライバーの多くは、FIA-F4かスーパーFJというフォーミュラカーカテゴリーに乗ります。
この2つの競技は似ているようで違っていて、違うようで似ています。つまり、類似点が多いけれども乗ってみると全く違う乗り物です。
レーシングカートとフォーミュラカー、この特性の違う2つの競技を、「別々のものと捉えるか?」「同じものと捉えるか?」多くの人は「似ているようで違うもの」と答えます。
なぜでしょう?
それは単純に、「乗ったフィーリングが違うから」「走らせ方が違うから」といった、主観的な考えを元に言われているだけです。特に経験の浅い人ほどそういう感じ方をします。僕も最初はそう思っていました。
本当にそうでしょうか?
今回は、レーシングカートとフォーミュラカーの関係について解説していきます。
レーシングカートの特徴

レーシングカート
レーシングカート最大の特徴は、【サスペンションが無い・リアタイヤのみのブレーキ機構・圧倒的なホイールベースの短さ】が大きな特徴です。
いかにも乗りにくそうな作りですが、実際に乗ってみると、運転に慣れている人であれば誰でも簡単に乗り回すことが出来ます。
それはホイールベースの短さと重心の低さによって、多少雑な操作をしてしまっても、すぐに姿勢を戻すことが出来るからです。
サスペンションが無くても、ハンドルを切ることでイン側のリアタイヤが浮いて旋回しますし、重心の低さによって多少跳ねてしまっても元の姿勢に戻すことが容易に出来ます。
突き詰めていくと難易度の高い競技になってしまいますが、「初心者が簡単に乗りこなせる」という視点では、まさに【モータースポーツの入門カテゴリー】にピッタリなカテゴリーです。
フォーミュラカーの特徴

スーパーFJ
フォーミュラカーはF1を頂点にF2、F3、F4など多種多様なフォーミュラカテゴリーが存在します。佐藤琢磨選手が参戦するインディカー・シリーズや、海外からの注目度の高いスーパーフォーミュラシリーズもフォーミュラカテゴリーです。
そして、僕が2019年に参戦しているスーパーFJシリーズもフォーミュラカテゴリーになります。
フォーミュラカーは、F1のようなタイヤがむき出しでシングルシーターの車体に、空気の力(ダウンフォース)を利用して荷重を増加させてグリップを稼ぐのが特徴です。
基本的にエアコンなどの快適装備は付いておらず、消火器や、安全性の高いシートベルトなど、必要最低限の部品しか付いていません。
近年のフォーミュラEなどはタイヤは覆われてリアウィングも付いていないので特殊な例になりますが、基本的には「オープンホイール・シングルシーター・ダウンフォースを生み出すウイング」がフォーミュラカーの特徴です。
レーシングカートに比べると、「初心者が乗りこなせるか?」という視点では少し難易度が高いので、【四輪レースを本格的に始めたい】という人にピッタリなカテゴリーです。
レーシングカートの操作と考え方
本題はここからですね。レーシングカートの操作はいたって簡単です。
- ステアリング操作
- アクセル
- ブレーキ
が出来れば十分です。さらに上を目指すのであれば、キャブレター調整や体の使い方も意識していかなくてはなりませんが、初心者の頃は気にしなくて良いです。
基礎的な三大操作(ステアリング操作・アクセル・ブレーキ)の中でも、【ステアリング操作とブレーキ】が最も奥が深い項目になります。「コーナーの進入で全てが決まる」と言われるように、ステアリング操作とブレーキワークは、コーナーの進入の大きなポイントです。
レーシングカートの走行中は、1周が短く何度も同じコーナーを走るため、基本的な操作と少ないコーナー数だけに集中することが出来るので、「速く走るために必要なことは何なのか?」徹底的に試しながら学ぶことが出来ます。これは、大きなサーキットを走る四輪では難しいことです。
何かをするときは、短い時間でも1つのことに集中した方が効率が良いです。マルチタスクよりもシングルタスクが良いことは有名ですが、レースも同じです。
ギア操作がある四輪レースよりも、ギア操作がないレーシングカートで基礎を学ぶことで、無意識的に走りの基礎を効率良く習得出来るので、その後四輪レースにステップアップした際に、ギア操作やコース攻略に集中して取り組めるようになります。
「え?レーシングカートで速かったのに、フォーミュラでは遅いドライバーもいるじゃん」「結局はレーシングカートとフォーミュラカーは別物だから使う技術が違うんでしょ」という意見もあります。
この答えについてはキクブログnextの方で解説します。
「もう誘導かよ」とは思わないでください。安心してください、もう一つ解説します。
レーシングカートのセッティングは、剛性を変更することが多いです。これは、フォーミュラカーには無い考え方になり、レーシングカートでしか養えない感覚です。
特に、シャフト交換やホイールハブ交換は、剛性変化に大きな違いを感じ取ることが出来ます。
そして、レーシングカートを乗りこなせるようになってくると、「フレームがどのように捻じれているか?」分かってくるようになります。「フレームの動きを感じ取る」ということです。
この、繊細で細かい感覚は、フォーミュラカーでギリギリのマシンコントロールを感じ取る際に使えます。
レーシングカートでは、
- 走りの基礎
- 体でマシンを感じ取る感覚
をフォーミュラカー以上に磨くことが出来るため、フォーミュラカーしか乗ったことのない人は、レーシングカートにも乗って練習するべきです。
特に、フォーミュラカーで伸び悩むドライバーの大きな要因が、「走りの基礎と、体でマシンの状況を感じ取る感覚」が劣っていることから来ていることも多いので、「自分は当てはまっていないかな?」とチェックしてみましょう。
ここから先はキクブログnextです。
- フォーミュラカーの操作と考え方
- レーシングカートからの乗り換えに苦戦する理由
- レーシングカートとフォーミュラカーの技術の融合
について解説します。フォーミュラカーの操作までは無料枠で公開しているので興味がある人は見てみてください。
キクブログnextでは、フォーミュラカーならではのテクニックをレーシングカートに生かす方法、レーシングカートならではのテクニックをフォーミュラカーに生かす方法を解説します。それぞれのカテゴリーで必要になるテクニックは、少し変わってきますが、結局は同じモータースポーツです。上手く意識すれば、レーシングカートでもフォーミュラカーでも応用が可能です。
また、フォーミュラカーで伸び悩んでいる人には、今一度意識しなおして欲しいポイントを紹介しています。
今回の記事は、【レーシングカートとフォーミュラカーに乗れる資格を持った人】に、是非とも実践して欲しい内容です。どちらか片方、メインのカテゴリーだけ練習するのは本当にもったいないことをしています。普通自動車免許があればフォーミュラカーは乗れますし、免許がなくても乗れるレーシングカートは、レンタルという形で各ショップ貸し出しをしているので、ほとんどの人がやる気を出せば実践出来る内容です。
もし、小さな子供がフォーミュラカーの感覚を練習したいのであれば、難易度は上がりますがシートが動くタイプのシミュレーターでも代用出来るので実践してみましょう。
僕が最も伝えたいのは、同じカテゴリーのマシンだけで練習していると、新しい発見が無くなってくるので結果的に伸び悩むことになるということです。
補足ですが、レーシングカートとフォーミュラカーは別物だから、出来るだけ早くフォーミュラカーにステップアップしようと試みる親子もいますが、レーシングカートの基礎が出来ていないのにステップアップするのは避けるべきです。
100歩譲ってステップアップしたとしても、レーシングカートの練習も少しでも良いので続けた方が、フォーミュラカーの引き出しも増えます。
僕は、2018年からスーパーFJに乗り始め、レーシングカートレースは休止しましたが、「もてぎ、本庄、茂原」の全日本選手権のレース前練習には欠かさず行きました。
キクブログの内容は、この時期に学んだ事も多くあります。
流石に、半年間レーシングカートから離れてしまうと、15周くらいしか体力が持ちませんでしたが、タイムだけでは遜色なく、むしろ現役時代よりも良いタイムで走れていました。
レーシングカートの基礎が見についたと言える最低条件は、SSクラスで優勝、または表彰台に立ってからですね。まずはそこからです。
ここから先は、キクブログnextに移動して解説します。
▼続きはこちら▼

→https://note.mu/race_hirokikuchi/n/n7960683adc4e?magazine_key=m0b1a7a2a8f6a
写真提供:FUKAYA 様、槙 様、助野 様
▼四輪ドラテクの基本を解説した本▼
▼【入門者向け】レーシングカートの実用書▼
▼【上級者向け】レーシングカートの実用書▼
関連記事
よろしければご覧ください
このサイトの運営者であるレーシングドライバー菊池宥孝は、レース活動を支援してくださるスポンサー様を探しております。
私からは、
- 一緒にレースに参加するプラン
- 一緒にイベントを開催するプラン
等をご提案させていただいております。
私の現状は、2021年もFIA-F4選手権の参戦に向けて準備を進めておりますが、予算が底をついている状況です。
そこで、スポンサー様にとっての負担と、私のレース活動を通した仕事の幅を広げるために、レーシングドライバー活動をするための会社を設立しました。
詳しくは、【2021年度のレース参戦企画書】と【会社概要】をご覧いただけると嬉しいです。
「スポンサー様と一緒に楽しむ」をテーマにしております。よろしくお願いいたします。