【中古レーシングカートのフレーム修正】注意点と予備知識
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みなさんこんにちは!レーシングドライバー兼レーシングブロガー?の菊池宥孝です。
僕は7歳から20歳までサッカー少年でしたが友人の影響から、「レーシングドライバーになりたい!」と強く思うようになり、2015年からレースの世界に足を踏み入れました。
’15’16:ローカルカートレース
’17:全日本カート選手権FS-125クラス
’18’19:スーパーFJで四輪デビュー
’20:FIA-F4【ATEAM Buzz Racing #32】
「初心忘るべからず」「常に謙虚で満足しない」事をモットーに時代を変える最強最速のドライバーを目指しています。
それと、レーシングカート入門書も出版しました!
応援よろしくお願いします!!
みなさんこんにちは。
レーシングドライバー菊池宥孝です。
現在スーパーFJというフォーミュラカーでレースをしています。2017年までレーシングカートをやっていて、全日本カート選手権などに参戦していました。
今回のテーマは「レーシングカートのフレーム修正」です。
僕の経験から言うと、「フレーム修正をしたレーシングカートは買ってはいけません」
断言できます。
よく、曲がってしまったフレームを何度も修正して乗っているドライバーさんを見かけます。
その人は、「ショップの人から大丈夫だとお墨付きを得たから」と考えて、格安でボロボロのフレームを買わされ、一生懸命走り込んでいますが、全くタイムが伸びません。
さらに、数か月おきにフレーム修正を繰り返して、毎回数万円の支払いをしています。ボロボロのカートに数か月おきのローン返済みたいな出費。
悪質な例ですが、騙されてしまう人もいます。
フレーム修正をしたレーシングカートは、どんなに頑張っても速くならない、ただの粗悪車になりかねません。
僕自身の経験から、この記事を読んでもらった方には同じ遠回りをして欲しくない。
そう思って書きました。
フレーム修正したカートを買ってはいけない理由
フレーム修正とは
レーシングカートは構造上、フレームで走っているとも言えます。そんなフレームが走りに与える影響は大きいです。
フレーム修正とは、過去にクラッシュなどでフレームが曲がってしまって、
- 真っ直ぐ走らない
- ブレーキング時に左右どちらかに持っていかれる
- 右コーナーと左コーナーでフィーリングが違う
など、走行性能に悪影響を及ぼしているため、新車に近い状態に修正したものです。1回約2万円~3万円ほどかかります。
修正する際には、ミリ単位で修正します。修正したばかりの頃はタイムが上がることもしばしば。しかしながらすぐに元の曲がりに戻ってしまいます。
理由は単純なことです。一度曲がった金属は元に戻ろうとしますよね?フレームも元に戻ります。
「元に戻ったらまた修正」
こんな事をやっていてもお金の無駄遣いで意味がありません。
金属疲労
フレーム修正をしたという事は、「金属疲労」も考えなければいけません。
金属に大きな負荷が掛かって曲がったフレームを同じ力で元に戻したら、使い物にならないくらいの金属疲労を起こしているフレームになります。
新車が速いと言われるのは、この「金属疲労」が溜まっていないからです。
フレームはただの骨組みではありません。レーシングカートはサスペンションが付いて無いため、フレームの性能が走行性能に直結しています。
レーシングカートは加速するとき、エンジンパワーだけではなく、フレームの反発する力、「蹴り」でも加速しているのです。
これは、サスペンションが付いていないレーシングカートならではの仕組みと言えます。「金属疲労」の溜まったカートには無いものです。
自分の経験から言えること
僕自身、クラッシュして曲がったフレームを修正して1年間乗っていました。しかし、ある一定のレベルから、誰が乗ってもタイムが伸びない状態になってしまいました。
セッティング変更を施しても、タイムが変わりません。さらに、フィーリングも何も変わらないと感じることもありました。
翌年、新車を購入してレースに出たところ、前年はトップとのタイム差がコンマ7秒でしたが、コンマ2秒まで縮まって入賞争いをしたことに自分でビックリしました(笑)
モノを使って競うスポーツですので、ある程度良いモノを使わないと勝負にならないんだなと痛感しました。
まとめ
フレーム修正をして万全ではない状態のレーシングカートに乗ることは、タイムだけではなくフレームの、「変わった“癖”」がドライバーにも染み付いてしまうリスクも伴います。
ただこの癖のあるカート、パッと乗っただけでは分かりにくい事が多いです。
分かりにくいのですが、「フレームの性能(ハリ)を引き出す」という技術に影響します。
僕も、フレーム修正を繰り返したカートから新車に乗り換えた時、最初はタイムが伸びませんでした。
何回も練習してようやく、「お!何か性能を引き出せてきたぞ!」と感じれるようになりました。気が付かないうちにダメな癖が付いていたのでしょう。
レーシングカートを始めたばかりの初心者が、“変な癖”を身に着けてしまってもいけませんし、ベテランの方が“変な癖”を身に着けて、いざ普通の走り方に戻そうと思ってもなかなか出来ない。
ボロボロのカートで腕を磨くのは上達への遠回りです。
全日本選手権だけではなく、ローカルレースに出ている方も、しっかり整備された新しいレーシングカートに乗っています。
「正しい状態で、正しい技術を学ぶ」
上達への一番の近道です。
これを見て、「フレームの修正くらい大丈夫だ‼」と思う方、どうぞ安いカートを購入してください。20万円以下で売っています。
逆に、ボロボロのカートしか乗った事がない方!
ぜひ、1度しっかりメンテナンスされたレーシングカートに乗ってみてください。違いが体感できます。
「安物買いの銭失い」になってしまわないように注意してください!
今回の記事はいかがでしたでしょうか?
皆さんのレーシングカート選びに少しでもお役に立てれば嬉しく思います。
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