【中・上級者向け】中古のレーシングカートの選び方。競争力のあるカートに乗ろう。

「レースで、あとコンマ2秒上がれば表彰台に登れそうなのになかなか立てない、、、」
そんな思いをしている方は多いと思います。
その中で、「車が悪いのではないか」「何をやってもタイムが出ない車になっているのではないか」と言う疑いを持って走っていませんか?
車に疑いを持って走っていては、速くなることはありません。
100%の信頼を持って、「あとは自分の腕次第だ!」と思って走れなければ、速さを得る事は出来ないでしょう。
速さを追究するためには、まずはタイムが出る確証のあるカート選びが大事になってきます。
この記事を読んだ皆さんには、各地のカートレースで優勝してもらいたいと思っております。
というわけで、今回は「レースで勝てる」「速い」カートの選び方を、自分のレース経験をもとに注意点をお伝えしたいと思っております。
もし、「なぜ勝てないんだろう、、、」と思っていて、周りからは「下手だからだ!」と言われてしまっているのだとしたら、是非一度使っているカートの状態にも注意してください。
いくら、優れたドライバーでもある程度の戦闘力を持ったマシンに乗らなければ勝てません。
フェルナンド・アロンソがF1で勝てないのと一緒です。(性格にも問題ありですが(笑))
こんにちは!現役レーシングドライバー菊池宥孝です。
現在スーパーFJというフォーミュラカーに乗ってレースをしています。2017年までレーシングカートで、全日本カート選手権などに参戦していました。
僕の経験から言うと、「レースで勝てるカート」の価格は、最低でも25万円は必要になります。
一番良い選択は60万円の新車を購入する事だと思いますが、状態が良ければ中古車でも優勝出来ます。
「予算的に制限があるけれど、結果も出したい!」そんな方にこそ、コストパフォーマンスに優れている、状態の良い中古のレーシングカートを強くオススメします。
現在、販売中のレーシングカート紹介ページはこちらです↓
カートレースでよく見かける、技術は高いのになかなか優勝出来ない方に共通しているのは、「お金を節約し過ぎている」という方です。
身近な例では、2年に一度新車を買っていた速さに定評のあるベテランドライバーの方がいました。
最近子供が大学生になり家庭の支出が増えてきたため、カートレースに対する家族からの視線も厳しくなり、新車の購入を断念していました。
その方は、ハイレベルなローカルレースの「YAMAHA-SSクラス」で優勝経験があり、当時ずっと同じフレームで3年程戦っていました。
2年目後半あたりから、徐々に入賞するのも厳しくなり、最終的には10番手前後が定位置になっていました。
その方が最近、前年の全日本ドライバーが2レース使用したカートを安く購入したところ、表彰台争いに返り咲き2位表彰台をゲットしました。
今では、「新車だったら優勝できたな~」とぼやいていすが、奥さんからも文句を言われなくなったようで、かなり嬉しそうでした(笑)
レースはお金がかかる競技ですので、僕自身そうであったように「少しでも安く乗りたい」という気持ちはあると思います。
しかし、ある一線を超えた安さや年式のカートは、何をやってもタイムの出ない粗悪なカートになりかねません。
目次
安いレーシングカートに手を出してはいけない理由
フレーム修正したものは避けよう
フレーム修正をしているレーシングカートは“即”候補から除外しましょう。
フレームが曲がっているのも論外です。
そういうカートは、
- 右コーナーと左コーナーで滑り方が違うな
- ブレーキングで左右どちらかに持っていかれるな
- コーナー立ち上がりで前に進まないな
など、走っていて微妙に違和感を覚えます。経験がある方は多少どうにかなってしまいますが、このような状態で速く走ることはできないと考えておくべきです。
僕自身初心者の頃に、クラッシュして曲がったフレームを修正して1年間使用していました。
徐々に上手くなってYAMAHA SSクラスで中団争いをするくらいまではいけましたが、それ以上のタイムは誰が乗っても出ませんでした。トップタイムから0.2~0.3秒遅かったです。
詳しい情報はこちらの記事にまとめています。
→【悪質カートショップに騙されるな】中古のレーシングカートはフレーム修正をしていても本当に大丈夫か?
年式の古いカートは避けよう
レーシングカートも実車同様、年式が新しくなるほど性能が上がります。
フレームはレースの本場ヨーロッパで、ワークスチームが開発を進めています。現在の技術で考えられる最速のカートを作るため、実戦で様々なカートメーカーがしのぎを削って開発をしています。
フレームの構造や、材質、各部分のパーツ全てに最新のテクノロジーが注入されています。最近では、風洞を使用して空力を考えてカウルが開発されています。
レースはモノを使って競争する競技です。どんなに速いドライバーでも、車の競争力が無ければ戦えないのは、世界中どのレースカテゴリーでも当てはまりますよね?
レースが好きな方ならお分かりかと思います。
遊びとはいえ、一般的な趣味以上のお金をかけているのでみんな本気です。上位に食い込んでくるドライバーは年式の新しいカートで走っています。古いカートは性能で劣るため上位争いはかなり厳しいと考えるべきでしょう。
なかには古いカートと見せかけて、新車のカートにボロボロのカウルを装着して、“あえて”古い感じを演出しているくせ者ドライバーもいます(笑)
走行距離が多そうだけど大丈夫?
まず、どのように使用されたのか分からない走行不明車は避けるべきです。
そのカートが、「いつ、どんな使われ方をしたのか?」分からないのであれば非常に危険な購入になりますので注意してください。
安心して乗るためにも、「どのカテゴリーで何レース使ったのか?」表記してあるものを選びましょう。
大体1レース使用というのは、レース1週間前に2日間走っていると考えて、計4日間走っていると考えておけば大丈夫です。
僕の基準としては、フレームの良い状態は、ローカルレースであれば毎月2レースする方なら、1年間は十分に持つでしょう。
全日本カート選手権のようなハイグリップタイヤで走ったレーシングカートは、その半分の半年に1回のフレーム交換をすれば大丈夫だと考えています。
メンテナンスがしっかりされているものを選ぼう
レーシングカートはメンテナンス命です。
特にブレーキ周りはこまめにメンテナンスをする必要があります。もしもの事が起きた場合、命にかかわる部分ですので本当にデリケートな部品だという意識をもって手入れしてある人から買った方が良いです。
また、掃除をサボったような錆が出来ていたり、汚れがこびりついているフレームはやめた方が良いです。
カートの掃除は、オーナーの気持ちの入り方がよく現れます。走行が終わってから疲れた体で隅々まで綺麗に掃除するのは根気のいる作業です。
汚いレーシングカートは、走行後に掃除するのが面倒くさく、適当に拭き取ってそのまま片付けるといった光景がすぐに浮かびます。
そのようなオーナーにメンテナンスされたレーシングカートは、いつ重大なトラブルが起きてもおかしくない危険な状態であることが多いです。
もし、購入を検討しているカートに損傷個所を見つけた場合、販売元に
「ちょっと壊れちゃってますけれど、納車までには整備して納車しま~す♪」と言われても、現状整備されていないのであれば、そのカートは各部品に大きな負荷が掛かった状態で走行していたことになり、次のトラブルが起きやすくなります。前オーナーがしっかりメンテナンスしたカートを選びましょう。
現状渡しほどの危険極まりないカートはありません。例えば、ブレーキオーバーホールなどの、メンテナンス後に納車してくれる人が良いでしょう。
メンテナンスは命に関わる事ですので、その部分にお金を掛けていた人から購入しましょう。
現代のレギュレーションに適合しているか確認しよう
レギュレーションに適合していなければレースに出場できません。
最近では2017年から、フロントフェアリングという部品が付いていなければレースに出られないというレギュレーションが全日本カート選手権で正式に採用されています。
2018年現在、ローカルレースでも導入されているシリーズもあります。
また、リアカウルが付いていない10年ほど前のモデルもレースには出られません。
購入しようか迷っているカートがある場合、そのカートがレギュレーションに適合しているか確認してから購入しましょう。
後々取り付けるとなると、上手く収まらずに周りのパーツ一式交換しなければならず、結果的に高額な出費になるといった事がよく起きます。
まとめると
長々と説明してきましたが、「価格と程度は比例する」ということを、意識してください。
中古車選びと同様にレーシングカートも、安物買いの銭失い状態に陥りやすい買い物です。
初期投資の価格はその後のパフォーマンスに長く影響を及ぼします。
購入前にチェックしよう
どれだけ安くても、以下の項目はチェックして1つでも当てはまったら購入を避けるべきです↓
- フレーム修正歴あり
- 年式の古いもの
- 過走行
- メンテナンス不足の疑い
これらのカートはトラブルの温床になります。
価格が安いことも重要ですが、カートのコンディションを重視した方が、トラブルが少なくその後の支出も安く済み、レースで上位を争える戦闘力を持っているカートなのでお得です。
安く購入してもトラブル続きで支出がかさみ、レースでも全く戦闘力がないカートに乗っていては楽しいはずのカートも楽しめません。
15万円で買った古いカートが、どんどん壊れて10万円以上の修理費を費やしたら、、、
それなら安心して長く乗れる30万円のカートの方が良いですよね。
最低限、ブレーキオーバーホールしてから納車してもらいましょう。命を守るためにも。
出来るだけ良い装備のものを選ぼう
少し予算的に余裕がある方は、できるだけ良い装備のカートを購入した方が良いです。
良い装備品が付いているカートでも、純正の装備品が付いているカートでも、中古車であれば新品時に比べて値段に差が出にくいです。
どちらにしろ大きな金額を出すのなら、良い装備で売ってあるカートを購入した方がお得です。
さらに、僕が一番オススメするのは、「一番カートの性能を引き出せるセット」で売られているレーシングカートです。
純正のパーツより社外のパーツの方がカートに合っている場合も多いです。そして、社外のパーツは値段が高い。純正で売られている事が多いのは、バラで売った方が高く売れるからです。
有名な話では、カデットに乗っていた子供がジュニアに上がるので社外パーツを多く使っていたカートをバラバラにしてパーツごとに売ったお父さんがいました。
最終的に総額40万円で売れました。
このように、バラにすると意外と高く売れるので、社外パーツはバラ売りが人気です。
もし、そのカートに合った社外のパーツが付いているカートを見つけたら真剣に購入を考えるべきです。
多くの中古カートが純正状態で売ってある中で、社外のパーツが付属した形で出回ってくることは滅多にありません。
たとえ、自分の持っているパーツと被ってしまっても予備として取っておけますし、売ることも出来ます。
ぜひ、性能をフルに引き出せる状態のカートに乗って楽しんでください!
しかしながら、パーツに詳しくない方だと「どのパーツが良いのか分からない」という方が多いと思います。
そういう時は、詳しそうな人に聞くのが一番です。いろんなパーツを試すのが好きなドライバーも多いので、探せば結構います。
車体本体価格+諸費用=総額を確認する事
よし、レーシングカートを買おう!と思った方、最後に購入する前に、本当に言われた額が総額なのか確かめましょう。
車両本体価格は5万円の表示ですが、整備費用が20万円かかったら元も子もないですよね?
5万円の価値しかないカートを20万円かけてメンテナンスする意味はありません。どちらにしろ遅いです。
車体価格と、納車前整備の内容のバランスで決めて頂ければ良いと考えています。基本的に、新しい車両の方がトラブルは少ないです。
今回の記事はいかがでしたでしょうか?
この記事があなたのカートライフの少しでもお役に立てば嬉しく思います。
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