【現役レーサー解説】鈴鹿サーキットのコース攻略

みなさんこんにちは。レーシングドライバー菊池宥孝です。
鈴鹿サーキットと言えばスリリングな高速コーナーが多く、世界中のレーシングドライバーが褒めちぎるコースです。
- 神が作ったコースだ
- チャレンジングで世界で一番挑戦しがいがある
- リズムが素晴らしい
- 絶妙なバランスを求めるコーナーがある
など、数多くのF1ドライバーを虜にしてきました。
そんな鈴鹿サーキットを走る際に、「コーナーの特徴を知りたい」「どのような意識で走ったら良い?」など、知っておきたいポイントはたくさんあります。
そこで今回は、鈴鹿サーキットを走る際に知っておくと得するコース情報を解説します。
目次
鈴鹿サーキットとは

出典元:鈴鹿サーキット
鈴鹿サーキットは、右回りの東コースと左回りの西コースからなる、立体交差する8の字型のサーキットです。右回りと左回りのため、タイヤも他のサーキットに比べて左右均等に摩耗します。
1周5.8㎞のロングコースでありながらコース幅は10~16mと若干狭いです。摩擦係数の高いアスファルトが使用され、中高速コーナーが多いレイアウトになっています。
低中高速、全てのコーナーが全く違う種類のレイアウトになっており、走っていて最高に楽しいコースです。
コース情報

1.2コーナーからS字にかけて
鈴鹿サーキットがどんなコースなのかざっと説明したので、ここからは各コーナーについて詳しく解説していきます。
今回の情報は2019年4月現在のコース情報になります。
1.2コーナー

1.2コーナー
2.8%の下り勾配のメインストレートから進入する1コーナーですが、ほとんどの車は少し減速してから進入します。1.2コーナーを1つのコーナーとして考えるドライバーと、別々のコーナーとして考えるドライバーに分かれる難易度の高いコーナーです。
長い下りのホームストレート後の高速コーナーなので、度胸が試されます。
ちなみに雨天時は2コーナーの進入ラインから乾き始めます。
S字・逆バンク

S字コーナー
車によってはS字イン側の縁石内側にある緑色の部分まで使った方が速く走れる場合もあります。頑張りすぎると良いことがないので、次のコーナーを意識してリズム良く組み立てるとタイムが出ます。
逆バンクの進入ラインは様々です。色々と試しましょう。

イン側の緑色の縁石まで使うと速い場合もある
デグナー1

デグナー1つ目
個人的には恐怖心を感じる楽しいコーナーです。クイックに向きを変えて放り込むように旋回します。
コーナー進入時と脱出時は、アウト側の芝生にタイヤを落とすと悲惨な事になる可能性があるので気を付けて下さい(笑)。しかし、コース幅が狭いので、目一杯使いたいところです。
デグナー2

デグナー2つ目
デグナー1個目を頑張りすぎると、2個目の準備が間に合わない場合があります。立ち上がりが犠牲にならないように走りましょう。
走行ラインはバンクが付いていて速い旋回が出来ますが、イン側の縁石に思いっきり乗ってショートカットした方が良い場合もあるので試しましょう。
出口のアウト側は人工芝でホイールスピンしたり、車高が低い車は底を打ってしまったりするので、落とさないように気を付けて下さい。

クルマによってはイン側の緑色も使えます
ヘアピン

ヘアピン入り口はアウトにしっかり寄ります
手前の110Rを頑張りすぎると、ヘアピンをアウトインアウトで曲がれません。
ヘアピンの後は長い全開区間ですので、ヘアピンの立ち上がりを重視します。
スプーンコーナー

スプーンコーナー入り口
進入時はアウト側の緑色の部分まで使うとコース幅を広く取れます。車速を乗せて進入しましょう。
スプーンコーナー2個目はその先の長いストレートを意識して立ち上がり重視で走ります。
130R

130R入り口
勇気を振り絞って曲がりましょう(笑)
頑張りすぎるとスピンしてしまうので、曲がりきれなそうなら頑張らずにコース外を走ります。2019年2月の路面改修で、130R出口アウト側の人工芝が撤去されていますので安全にコース外を走れます。
イン側の縁石をまたぐように乗ると車が安定する場合もあります。乗り方が甘いと弾かれてバランスを乱すので気を付けてください。

挙動を乱した際は、前走車のようにコースアウトした方が安全です
シケイン

天気が良いと伊勢湾が見えるらしい?笑
オーバーシュートした際の復帰路も用意されているので、どこまで突っ込めるか積極的に試すことが出来ます。
1個目の縁石に弾かれるとストレートが犠牲になってしまうので、2個目を意識したライン取りにしましょう。
某チーム監督に、「シケインを立ち上がる時に伊勢湾が見えるくらい余裕を持てたら一人前だ」と聞きました(笑)
菊池のオンボード
伊勢湾は見ていませんが、こちらが僕のオンボードです。初めて走行される際は、しっかりとイメージしてから走りましょう。
まとめ

出典元:MotorsportsForum
鈴鹿サーキットは僕が走ったコースの中でも1番楽しいコースで、130Rに向かう時の緊張感がたまらなく大好きです(笑)
全てのコーナーのリズムが最高に気持ち良くて、レースをしていなくても楽しめます。あなたも1度走ってみたら病みつきになるでしょう。ライセンスがあれば誰でも気軽に走れます。手続きも簡単なので是非1度走ってみましょう!
僕が書いた、鈴鹿サーキットのレースレポートも参考にして下さい↓
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